五〇〇円の物語
- 5:05起床。休みの日の朝だというのに…。せっかく起きたんだから、有効に使いましょうw。
- トースト、コーヒー。変わり映えしない朝食。
- 村上龍『インザミソスープ』読了。改めて表紙を見るとなんとも不気味な顔。これか…。実に後味の悪い読書だった。とはいえ貶しているわけではない。こういう本もありなんだ、そう思った。感想はこちらでも。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 読売新聞社
- 発売日: 1997/09
- メディア: 単行本
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- 昼は外食と決めて住吉駅前まで歩いた。家を出てしばらくはとんかつのながた園で、チキンカツを食べるつもりだったが、信号を渡る前に通ったラーメン屋『神助』の看板メニューのお得ランチに惹かれて入店。こってり塩ラーメンとミニカレーのランチセット。塩なのにこってりというのも珍しいが、確かに白濁したスープは少しとろみがある。飲んでみると意外にあっさりと口に広がる。牛骨スープのさらりとしたこくとよく合う。うまい。
- パトライトって会社名やったんや。へぇ〜〜〜。
- 星野博美『のりたまと煙突』読了。猫好きにはたまらない話なのかもしれない。たまらないというのは、その気持ちが実によく分かってたまらないというのと、多くの猫たちの死に様がたまらないという二つの思いがある。わたしは、この著者の感性が好きだ。例えば「五〇〇円の物語」という短いエッセイにこんな一節がある。
必死で目をそらそうとしていたが、南米にいる間じゅう、不安でたまらなかった。それなのにイグアスの滝を見に行き、自然の造形物のあまりの存在感に圧倒され、輪をかけて情緒が不安定になっていた。そしてつい国境を渡ってしまい、たまたま入ったレストランで美味しいビーフステーキが出された。救われたと感じた。その店に辿り着き、ビーフステーキを食べるまでには、私だけの物語があったのだ。もしその時現金で勘定を済ませていたら、私がそこでビーフステーキを食べたことを知っているのは、世界中でただ一人、給仕してくれたあの中年ウェイターだけだったはずだ。ところがカードで支払ったことで、私がそこにいたという情報は確実に記録されることになった。五〇〇円で、自分の大切な思い出を売り渡してしまったような気がした。「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」カード会社の宣伝コピーが頭の中にこだまする。五〇〇円で、買ったのではない。五〇〇円で、私は売ったのだ。
何が大事なのかがわかっている、そう思うのだ。感想はこちらでも。
- 作者: 星野博美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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