イトイさんのインタビュー記事

コピーライター 糸井 重里に聞く(前編)
ネタ元は、ネタフルさんのこちらの記事

実は、かつて「仕事」のありようについても深く考えたのだという。「仕事はないけど儲かってる」より「仕事は忙しいけど稼ぎは少ない」ほうが、より楽しいのではないかということだ。

「ぼーっとしていていろいろ手に入るより、あくせくしながら、何とか正解を導き出そうとするほうが、人にとっては励みになると思ったんです」

「知的に、じっくりと座ってものを見たり考えたりすることに対して、100万という数字は上限じゃないかという気がするんです。100万ならば、こちらも見渡せる数字。それを越えると、また別のものになってしまう。単行本でも、100万部を越えるベストセラーって別物でしょ。なかには同じ人が間違えて2冊買っていたり(笑)」

「…追い風ではないから、要は元気があるというのがポイントなんですね。自分から動いて、熱を出せるようなところが伸びている。これはネットにかぎらず、いろんな分野でそうだと思いますよ」

「もっともっと作る能力、生み出す能力、クリエイティブな力が要求されるでしょうね。手帳を作るのも単行本を作るのもホームページを作るのも、面白いアイデアを出すということでは、けっきょく同じなんです。核にはオリジナリティがあって、あとはそれを鍛冶屋さんのようにトンカチで叩きつづけて完成度を高めていく。ノーアイデアでは、これからはやっていけないでしょうね」

「メディアを使って宣伝する、じゃなくて、メディアを作って宣伝する、メディアそのものが宣伝、というふうに。街がメディアだし、宅配便だってメディア。だから、アイデアを生む人が重要なんです」

「ネット産業でいま元気のあるアマゾン、グーグル、ヤフーというのは、漠然と向こうに歩いて行けば何かがあるぞ、というところからはじまっていると思うんです。とくにグーグルなんて、試行錯誤でも歩みつづければ何とかなると教えてくれましたよね」

「どう考えても具体的な目標があったわけじゃない。あくまで『〜のほうに』向かってきただけ。でも、いまの企業論理は『〜のほうに』を許さない。常に明確な目標を示さないと株主総会でも叩かれますしね。でも、それじゃ、ミサイルは当たらないんですよ」

「グーグルなんて10の100乗という意味からきてるし、ヤッホーみたいな掛け声のヤフーはガリヴアー旅行記に出てくるならず者でしょ。アマゾンなんて、何だか訳の分からない奥地、どうしてアマゾンなんだよって(笑)。これにアップルも加わると、ほんと、社名を聞いても『お前のとこ、何をしている会社なんだ』って、まったく理解できない。ただ、どれも大自然に身を委ねるような凄さが感じられるでしょう。その曖昧さ、バカさがいいんですよね」

「自分を飽きさせないというのが、僕の人生で二番目の目的なんです。一番目は何だか知らないですけれど(笑)」

なんとなく、ほんまなんとなくやけど、「はてな」に似とるんちゃう?その大きさのわりに、少ない人とか。一人の人間の頭の中を超えてるようで、微妙に超えないような仕組みとか。よく分からんけど。